老若男女多かれ少なかれ、だれにでもある口臭の悩み。
若い頃に比べると口の臭いが気になってきた、という方もいるのではないでしょうか?
自分で気づく方もいますが、誰かに指摘されて口臭を気にしだす方もいると思います。
口臭に加齢は関係あるのでしょうか?
今回は加齢による口臭の原因や役立つ用具や使い方についてまとめてみました。
目次
年をとると口臭が悪化?加齢で口が臭う原因は?
そもそも口臭の原因は?
口臭の主な要因としては、喫煙(タバコ)や食べ物、アルコールのにおいを除く2種類のものがあります。
本来のその人それぞれが持つ「生理的なもの」と、身体やお口の中の「疾患が原因のもの」の2つです。
口臭の発生の一番の原因は、お口の中にある細菌の種類と量よって変化するものなのです。
・生理的口臭
・病的口臭
加齢で口臭悪化の条件が揃いやすい
若い時に比べると加齢による食事の多様化や、人工物で歯を修復する(入れ歯)の機会も増えるために菌が繁殖しやすくなります。
また40代以降の年齢になると、口臭の原因とも言われる「歯周病菌」が精力的に繁殖し、歯周病を悪化させたりするケースが多くみられ、口内環境の悪化は、口臭状況の低下へと繋がります。
加齢による高齢者の皆さんは、若い世代よりも免疫力が弱くなります。
免疫力の低下はお口の中の細菌だけではなく、内臓器官等の細菌を退治する力も弱まり、病気になりやすくなります。
病気になると口腔内が自分で管理できなかったり、清潔に保つことが出来なくなって、口臭悪化条件の要因になるのです。
口臭は治らないの?
口臭は多くは清潔に保ち管理することで、治ります。
歯磨きや、食事療法、ガムなどを噛むことによってかなり解消できるものです。
しかし、口臭というものは、一種の健康のバロメーターでもあります。
口臭にもいろいろあります。
例えばお口の中から漂う「腐ったにおい」は消化不良の症状である可能性が高く、これは摂取された食べ物が、消化不良を起こし、内臓などに停滞・発酵しているために匂うのです。
またアンモニア臭などのにおいは肝機能の低下が要因と考えられ、甘酸っぱいにおいは糖尿病の可能性があります。
更年期も口臭の原因の一つ?
女性の更年期に多く見られる現象が「ホットフラッシュ」と「自律神経の乱れ」です。
【ホットフラッシュとは】
女性の更年期に多く見られ、生理の閉経前から多くなり、突然体がカーツと熱くなったり、顔が紅潮し、顔面や頭部にほてりや発汗がみられる症状のことです。
胸のどきどきが止まらなかったり、気温は涼しいのに汗が止まらないといったような症状です。
自律神経の乱れから起こるのは「体温調節」のリズムが狂うということです。
発汗の調節も不安定になり、この2つの要因から心理的ストレスを引き起こし、加齢とともに引き起こす唾液の減少に「追い打ち」をかけてしまいます。
唾液には「消臭効果」があり、唾液の減少は身体の不調や、口臭悪化、様々な悪循環を引き起こしてしまうのです。
基本的な口臭の予防対策は?
歯磨き
今までまとめてきたように、口臭の原因は歯周病やお口の中の環境の悪化によるものです。
統計では「歯ブラシ」で取り除ける歯垢(汚れ)は全体の60%にしか留まらないとされています。
日々の歯磨きを欠かさなくても、これでは口臭予防には不十分というカタチになってしまいます。
効果的な歯磨きとはまず、自分お口の大きさに合った歯ブラシを選ぶことが大切です。
歯ブラシを鉛筆を持つように持ち、歯肉と歯の健康のためにも、力を入れすぎずに、毛先の弾力を効果的に使い、よく磨くことで清潔に保つことが出来ます。
また、歯と歯の間や、歯と歯肉の境目など丁寧に磨くことが大切です。
大きく歯ブラシを動かして「ゴシゴシ」と磨くのは歯の表面しか磨けず、磨き残しが多くなってしまいます。
舌苔の除去
また、口臭(におい)の原因は「舌」にあります。
歯磨きで取り除けない汚れ(バクテリア)実は「舌の表面」に住み着いているのです。
お口の中の舌の清掃には「舌ブラシ」を使用します。
舌ブラシとは、舌専用のブラシで舌苔(ぜったい)を除去する用具です。
舌苔(ぜったい)とは口臭の原因とも言うべき「匂いの素」で普通の歯ブラシなどでは取れません。
舌ブラシを使い、奥から手前に汚れを掻き出すようにやさしく、ブラッシングします。
無理に掻き出すのではなく舌を傷つけないようにやさしく使用します。
口の乾燥を防ぐ
お口の中の唾液の減少や低下が「口臭の環境」を悪化させます。
それは口の中が乾くという「ドライマウス」の症状を引き起こします。
口の乾燥が続いているということは、自律神経のバランスが不安定に陥っているという可能性が高く、水をがぶ飲みしても、症状は緩和されません。
高齢者の方々は高齢による症状も要因の一つですが、心的ストレスも大きな原因の一つです。
口内の粘膜を保護する意味で、保湿力の高い洗口液(マウスウオッシュ)や、保湿ジェル・スプレーなどを利用して防ぐこともできます。
また睡眠中の乾燥も考えられるので現在では「保湿用のマウスピース」などの用品も処方されています。
ガム療法や唾液腺マッサージなどの予防策
唾液の減少によるお口の中の乾燥を防ぐためには「唾液の分泌量」を増やすことが大切になってきます。
「ガムを噛む」ことで唾液の分泌量の改善を図ることが「ガム療法」であり、一般的にはなるべく糖分を含まないものが使用されます。
キリシトール入りのガムは歯の再石灰化を促進し抗菌効果もあるのでおススメです。
唾液の分泌を促進させるために、唾液腺を刺激することを唾液マッサージと言います。
主に耳下腺(耳たぶのやや前の方)や、顎下腺(あごの骨の内側の柔らかい部分)、舌下線(口の下のあご先のとがった部分)をやさしく押すことで、5回から10回ぐらい繰り返して押すことで効果が出ます。
頬粘膜マッサージも効果があるので動画も参考にしてみてください▼
生活習慣でも口臭を悪化させる!加齢による口臭予防の注意点
定期的に歯科検診を
どれだけ口臭予防のためにいろいろな方法にチャレンジしたとしても、口臭悪化の改善が見られない場合は「素直に受診」をおススメします。
なぜなら、何か原因かわからないということは、それだけでストレスとなり、口内環境にとっても悪影響です。
ご自身がお住いの地域の総合病院の「口臭外来」を受診しましょう。
総合病院などが、近くにない場合は口腔内全般を診察してくれる歯科医院を利用しましょう。
「口臭外来」に抵抗があるのなら、定期的に歯科検診に行くのもおすすめです。
歯科検診に行くと自分では分からない歯の磨き残しの場所を教えてくれたり、取り切れていない臭いの元となる歯垢や歯石を除去してくれることも多いのです。
私自身、2,3か月に1回歯科検診に行くようになり、歯磨き指導やケアをしてもらうことで口臭がマシになったように思います。
ストレスも口臭の原因に!ストレスをためない生活
高齢者の女性は更年期や自律神経の乱れから、お口の中の環境が悪化しやすいということをまとめてきました。
ストレスなどの状況が口臭を引き起こす要因になります。
まずはストレスをためないことがポイントです。
ストレスをなくすためには口臭に関してあまり深く考えず、健康的な生活を送ることが一番です。
食生活でも口臭が悪化することも
口臭を悪化させる食べ物には、にんにく、コーヒー、肉類、納豆があります。
にんにくには、ニンニクに含まれる「アリシン」という成分が口臭原因になります。
コーヒーの場合、コーヒーの中に含まれる小さな「微粒子」が舌についたまま残ると嫌な臭いの原因になります。
口臭悪化を改善するために一番効果的な食べ物はヨーグルトです。
口臭はお口に中の細菌によって発生いたします。
ヨーグルトは体内にある悪玉菌を抑え腸内環境を良くします。
その他にキウイなどがあります。
キウイに含まれる「アクチジニン」という成分が胃腸の働きを改善して、お肉に含まれるタンパク質などの消化を助けます。
まとめ
年を重ねると、だれにでもある口臭の悩みに、役立つ情報やその用具などの使い方について、まとめてみました。
口臭の感じ方は、人それぞれです。
大切なことは継続して「続ける」ことです。
ご自分の歯を「おもてなし」する気持で、これからの自分らしい口臭ケアを見つけてください。