高齢や加齢によって、様々な症状や身体状況などで食事の支度や配膳・片付けに至るまでの環境の変化などにより、「心に悩み」を持っていらっしゃる介護者・介護従事者の方は少なくないと思います。
今回はそんなご家庭や・高齢者向けに今話題の「宅配食サービス」についてご紹介いたします。
食べるということは、人間が健康に生きるための「根本」です。
心のストレスを解消するためにどうか、参考になさってください。
高齢者向けの宅配食とは?
宅配食とは?どんな種類があるの?
食事に制限がある方や、加齢により体の自由が利かなくなってきてしまった方が、自分で食事の準備をするのは大変な負担です。
このような状況を改善するために、自宅へ栄養まで管理されたお弁当などを配達してくれるサービスが宅配食です。
最近では、糖尿病やダイエット為にカロリー制限された「宅配食」を配達するサービスも登場しています。
食べる能力や身体能力が弱くなってきた高齢者の方に利用されている「宅配食」にはその「食べる理由」によってさまざまな種類があります。
高齢者の身体の状況、かかえている症状などによって次のような食事があります。
普通食
普通食とは、普通の「バランス栄養食」で主に生活習慣病の改善予防をしたいで主に健康保持を目的としたお食事。
介護食
介護食とは、ほとんどの食材が柔らかくしてあり、食べ物や飲む力がない方(咀嚼・嚥下機能が低下)歯ぐきなどでつぶせる程度の手作りのお食事。
制限食
制限食とはタンパク質を抑えてあるもので、野菜類のカリウムの成分を減らすことで「腎臓への負担」をかけずに、ある程度の高カロリーの栄養が摂取できるお食事。
人工透析食
人工透析をうけていらっしゃるかたは、水分の摂取を控えるために「揚げ物・炒め物」に食材が偏りがちになるため粉飴や中鎖脂肪酸を用いて調理された高カロリーのお食事。
糖尿病食
その名の通り糖尿病を患っている方のための食事です。
合併症などを防ぐためにカロリー計算された食事で1食200kcal(カロリー)以下に抑えてあるお食事。
塩分制限食
香味野菜や食材の出汁を使用して味付けは「薄口」です。
塩分の内容は2.0グラム以下に抑えて調理されたお食事。
宅配食のタイプは主に3つ
画像引用:http://xn--3kq292ae65brlg.com/
宅配食は、主に以下のようなタイプに分かれます。
- 冷凍タイプ
- 冷蔵タイプ
- 常温タイプ
それぞれについて説明していきます。
冷凍タイプ
冷凍されたお弁当や総菜が冷凍されて届きます。
自分で解凍しないといけない手間がかかりますが、保存が長期間できるので自分のペースに合わせて食べることができます。
冷凍でも、最近のものはとても美味しいので美味しさを心配することも少ないでしょう。
冷蔵タイプ
作ったお弁当などがクール宅急便などで届けられるものが多いです。(毎日届けられるものもあり)
冷凍に比べると保存はできませんが、冷蔵庫で数日ほど保存できるものもあります。
電子レンジなどで温めて食べるだけなので手軽に食べることができます。
常温タイプ
手作りのものを手渡しで渡してくれる場合が多く、見守りも兼ねてお弁当を渡してくれることが多いです。
出来たてのものをそのまま食べることができるのが大きなメリットですが、受け取りの時に在宅しなければいけない上に、長期間の保存は難しいです。
宅配食の値段の相場は?
上記の内容から様々な種類の栄養管理された食事の提供配達がされている「宅配食」ですが、大体の「お値段の相場」は1食あたり、600円前後ぐらいからです。
サービスの内容によっては5食から10食など、まとめて注文できる宅配食サービスなどもあります。
症状別(食べる理由別)で食材がかわるので、金額も変わってきます。
宅配食の選び方のポイントは?
まずは情報収集が大事です。
自宅近くの宅配食業者であれば当日「調理した」宅配食を配達してくれます。
ネットや口コミなどで注文した場合、冷凍や冷蔵で送られてくる場合が多く、そのまま調理できるレトルト風のものや、食材が細かく「分別されていて」ご家庭で調理する宅配食もサービスの中にはあります。
送料無料で配達されるものもあり、家庭のお財布にはありがたいサービスもあります。
選び方のポイントとしては「安くて便利」という一面もありますが、やはり実際にその宅配食を「口に入れる」高齢者自身のお気持ちも考えて、選ぶというのも大事です。
近年の宅配食サービスの中には「お試しセット」「無料お試し」といったものもあります。
実際に「食べてもらう」「美味しい」と感じてもらうことを1番に考えてほしいものです。
高齢者の宅配食を介護に取り入れるメリット
介護する側の宅配食のメリット
宅配食のサービスを利用する、介護の中に取り入れていく場合、最大のメリットは「非常に便利」ということです。
完成した状態の食事が届くということは、食事の準備をしなくても良い、ということになります。
1から作る手間やヒマがかからず届いたら「すぐ食べられる」火も使わないということは、家庭を預かる人たちにとっては魅力です。
また、介護の状態の中で「健康状態や持病などを持っている介護者」の場合、宅配食は減塩やカロリー計算を管理栄養士の方が計算してくれているので、「療養食」としても安心・安全に食べることができます。
わざわざカロリーや塩分などを気にしながら、食事の買い物をしたり、作るのはとても言葉に言い表せないくらい!大変です。
食事の後の食器を洗ったり片づけたりという動作も時間も必要です。
そんな風に考えると、介護の日常の中で「宅配食」を取り入れるということは、時間やストレスを感じさせないことが「最大のメリット」なのです。
介護される側の宅配食のメリット
食事の準備が大変で時間がかかるものだということは、介護をされる側にもなんとなく「伝わります」介護をされる中でなかなか上手く「自分の思い」を伝えられなかったり、本当は悩んだりしているのです。
宅配食は食事が出来上がった状態で配達されてくるので、届いたらすぐに食べられます。
また簡単に調理出来て、便利です。
介護する側もされる側もストレスが軽減されます。
豊富でカラフルなメニューから見て、好きな食事を選べるといった宅配食は脳の刺激になります。
それに、介護される側にとって「食べる」ということは楽しみの一つであり、生きる力なのです。
高齢者の宅配食を介護に取り入れるデメリット
介護する側の宅配食のデメリットはある?
宅配食は便利で簡単でストレスもないというメリットがありますが、その反面既に「出来上がった状態」で配達されます。
今日は「何を作ろうか?」「食べさせてあげようか?」と考えたときに、もうメニューは決まっていて自分で自由に選ぶことができません。
それに、宅配食の配達のほとんどがレトルトや冷凍です。
自宅近くに「宅配食」のサービス事業所があればいいのですが、配達時間の制限や注文時間の設定などがあり、うまく介護につなげられるかわからないといった、不安材料になることもあります。
しかし、一番は出来立ての温かい食事を作ってあげれないということが最大のデメリットです。
食事を手作りしたという「達成感」や「温かみ」もなくなってしまうことも。
また、便利さの裏には「ある程度のお金」も必要になります。
スーパーマーケットで売られているわけではないので、1食600円前後を1日3食と考えれば30日で「いくら?」かかるかというと、1800円×30日=5万4千円になります。
家族一人の食費がそれだけかかるということも、宅配食を介護に取り入れる場合、覚悟しなくてはなりません。
介護される側の宅配食のデメリットはある?
毎日のメニューは出来合いの「宅配食」ばかりで、なんだか味気ない食事と感じたとしても、介護される側のお気持ちはなかなか「相手には」伝えられないものです。
出来合いのものでたとえ便利だったとしても、やはり「手作りの食事」を食べたいときもあるかもしれません。
冷凍の宅配食をレンジしてチン!
なんだか「物寂しい気持ち」になります。
作ってもらえるというありがたさは少なくなります。
食事のことで「介護者との会話」も少なくなるかもしれません。
食べることは「生きる楽しみ」とご説明しましたが、「生きる楽しみ」とは押し付けられるものではないということも真実なのです。
私の祖父は90歳の時には、目も見えづらく、耳も遠くなってしまっている状態で、自分一人で外に出かけられるような生活をしていませんでした。
そんな生活の中で毎日の楽しみの一つは「食事」だったようです。
いつも私の母が祖父の為に手作りのおかずを作り置きしたり、栄養バランスを考えておかずを組み合わせて準備していました。
働きながらの介護で大変そうでしたが、いつも祖父は「ありがとう」といって嬉しそうに食べていたことを思い出します。
負担にならない程度に食事を準備できる宅配食はメリットもデメリットもありますので、考えて利用していただければと思います。
まとめ
高齢者の宅配食について、まとめてみました。
近年一人暮らしの高齢介護者、介護負担者も増えてきています。
安心安全で便利!メニューも豊富で種類も多い!という情報の宅配食ですが、事実手軽においしく食事を続けていくことができます
介護者する側も、介護される側も、健康であることこそが生きることです。
ここでまとめた情報を参考にして、新しい「介護のカタチ」を探してみてください。
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